米国株をスクリーニングする無料ツールとして有名な「finviz」を紹介します。
スクリーニングできる項目は、企業の財務状況からテクニカル指標まで、幅広くカバーされているので、成長株問わず、様々なシーンのスクリーニングに役に立ちます。
ただし、唯一の欠点は、「英語」であること。
そこで、「ミネルヴィニ先生の成長株投資法」をスクリーニングする方法を紹介します。
設定項目
Industry
ここでは、「産業」を指定することができます。例えば、銀行業や航空会社業など。
今回は、個別株が対象となるので、「個別株のみ」と設定します。
- Industry
- Stocks only (ex – Funds)
Market Cap.
ここでは、「マーケットサイズ」を指定することができます。例えば、小型株、中型株、大型株。
成長株は中型株や小型株が多いので、「中型、小型株のみ」と設定します。
- Market Cap.
- – Mid (under $10bln)
EPS growth qtr over qtr / Sales growth qtr over qtr
ここでは、「前四半期と比べて、増収増益」を指定することができます。
ただし、ミネルヴィニ先生やオニール先生が言ってるような、「過去2四半期続けて、EPSの増加率が20%以上であること」などは、ここではスクリーニングできないですね。
「前四半期と比べて、二けたの増収増益」でスクリーニングしたいのであれば、
- EPS growth qtr over qtr
- Over 10%
- Sales growth qtr over qtr
- Over 10%
「増収増益」だけに絞るのであれば良い設定ですが、私はチャートパターンを先に確認したいので、この設定は「Any」にすることが多いです!
50-Day Simple Moving Average / 200-Day Simple Moving Average
「finviz」で設定できる移動平均線の項目は以下の3種類
- 20-Day Simple Moving Average : 20日単純移動平均線
- 50-Day Simple Moving Average : 50日単純移動平均線
- 200-Day Simple Moving Average : 200日単純移動平均線
ミネルヴィニ先生は、「現在の株価 > SMA50 > SMA150 > SMA200 」をおすすめしていましたが、ここでは、「現在の株価 > SMA50 > SMA200」で一次スクリーニングを行います。
- 20-Day Simple Moving Average
- 未設定
- 50-Day Simple Moving Average
- Price above SMA50
- 200-Day Simple Moving Average
- SMA200 below SMA50
SMA150 が気になる場合は、気に入った銘柄を、再度「Yahoo! Finance」や「TradingView」で再チェックですね!
SMA150 なしでも、今の設定でトレンドは十分に確認できそうだね!
52-Week High/Low
「finviz」で設定できる高値安値の項目は3種類
- 20-Day High/Low : 20日間の高値安値
- 50-Day High/Low : 50日間の高値安値
- 52-Week High/Low : 52週間の高値安値
一番注目されるのが、この「52-Week High/Low : 52週間の高値安値」。
株価サイクルの第2ステージに突入した成長株は、次々と新高値を更新していく特徴があるので、「52-Week High/Low : 52週間の高値安値」は多くのトレーダーが意識する値となります。
株価サイクルの第2ステージはこちらで解説しています。
もちろん、株価が新高値を更新した銘柄をスクリーニングすることもできますが、新高値をブレイクしそうな銘柄を事前に発掘できたほうが利益を最大化できます。
以下の設定で、「現在の株価が52週間の最高値から0-10%低い」でスクリーニング可能です。
- 20-Day High/Low : 20日間の高値安値
- 未設定
- 50-Day High/Low : 50日間の高値安値
- 未設定
- 52-Week High/Low : 52週間の高値安値
- 0 – 10% below High
この設定で、新高値をブレイクしそうな銘柄を発掘や!
Volume
「finviz」で設定できる出来高の項目は3種類
- Current Volume : 当日の出来高
- Average Volume : 直近3ヶ月の平均出来高
- Relative Volume:当日の出来高と直近3ヶ月の平均出来高の割合
- Relative Volume = Current Volume / Average Volume
一日平均出来高が多いほど、売り買いがスムーズにでき、なおかつ、約定時のスリッページが低くて済む。しかし、出来高が多すぎると、今度は株価上昇する速度が遅くなるので、バランスが重要。
ちなみに、ミネルヴィニ先生は、一日平均出来高10万~30万の銘柄もトレードするらしいので、「Average Volume : Over 100K」とします。
また、ミネルヴィニ先生のVCPパターンやオニール先生のカップウィズハンドルの特徴として、ピボットポイントをブレイクする前は、出来高が低下していることが望ましいため、「Relative Volume : Under 1」の設定で実現可能です。
- Current Volume : 当日の出来高
- 未設定
- Average Volume : 直近3ヶ月の平均出来高
- Over 100K
- Relative Volume:当日の出来高と直近3ヶ月の平均出来高の割合
- Under 1
これで出来高が減っている銘柄を一網打尽や!
Performance
ミネルヴィニ先生やオニール先生は、RS(レラティブストレングス)という、銘柄間の相対的「強さ」を表した指標を使って銘柄選定をしていますが、この指標の値を確認できるのは、IBD(Investor’s Business Daily)の会員(月額4000円弱)のみです。
先生方には憧れているものの、月額4000円は払いたくない私が見つけたのは、ぶるいぬさんの記事でした。
そこには、なんと RS の計算方法について、詳しく解説されていたのです!
ぶるいぬさん、ありがとうございます!
RSの素点の計算式を見てみると
RSの素点 = 2×(現在の株価) / (1四半期前の株価) + (現在の株価) / (2四半期前の株価) + (現在の株価) / (3四半期前の株価) + (現在の株価) / (4四半期前の株価)
http://bullinu.com/2020/07/11/how-to-calc-relativestrength/
つまり、現在の株価と1四半期前の株価との割合のウエイトが高いことがわかります。
この情報を用いて、どのようにfinvizが提供しているデータと組み合わせるかを考えたときに、思いついたのが、「Performance」という指標です。
例えば、1四半期前のパフォーマンスは、このように計算します。
(現在の価格 - 1四半期前の株価) / 1四半期前の株価
RSの素点の定義とは違うものの、1四半期前のパフォーマンスが高いものは、RSの素点も高くなる可能性が高い。従って、1四半期前のパフォーマンスを降順ソートすれば、ある程度の参考価値はありそうと考えます。
- Performance
- Quarter up
- Performance2
- Half up
- Order
- Performance (Quarter) Desc
これはあくまでも参考程度だからね!
実際のスクリーニング結果
スクリーニング結果に対し、「Charts」タブを選択することで、選定した銘柄のチャート一覧が表示されます。
ここからは、VCPパターンやカップウィズハンドルをひたすら探すだけです!
地獄はここからですが、慣れたら意外と早く終わりますよ!
2022/3/27 追記
テンプレート適用した状態をURLで共有できることが判明したので、そちらを共有します。
最近勢いのあるエネルギー系や石炭系、素材系などがばっちりとフィルタリングされてますね!
まとめ
設定した項目を以下の通りです。
- Industry : Stocks only (ex – Funds)
- Market Cap. : – Mid (under $10bln)
- EPS growth qtr over qtr : Over 10%
- Sales growth qtr over qtr : Over 10%
- 50-Day Simple Moving Average : Price above SMA50
- 200-Day Simple Moving Average : SMA200 below SMA50
- 52-Week High/Low : 0 – 10% below High
- Average Volume : Over 100K
- Relative Volume : Under 1
- Performance : Quarter up
- Performance2 : Half up
- Order : Performance (Quarter) Desc
いろいろ調整して、自分にあった最適なスクリーニング条件を決めましょう!
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